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口頭

40MeV重陽子照射で発生する高速中性子による医療用放射性核種の合成

塚田 和明; 佐藤 望; 渡辺 智; 石岡 典子; 初川 雄一; 橋本 和幸; 金 政浩*; 川端 方子; 佐伯 秀也; 永井 泰樹

no journal, , 

核医学用放射性同位体(RI)は、主に癌などに対する高感度の診断及び治療が可能であるため世界中で重用されている。我々は、診断用RIとしてMo-99を、治療用RIとしてY-90を、そして診断・治療の両方に対応できるRIとしての期待が高いCu-64及びCu-67を、安定稼働に定評がある加速器で得られる高速中性子を用いて合成することを目指して研究を行ってきた。本講演では、これら目的とするRIの生成に、40MeVの重陽子ビームを炭素あるいはBe標的に照射することで発生する高速中性子を利用し、実際に原子力機構高崎量子応用研究所AVFサイクロトロンにて上記RIの合成試験を行い、生成量の評価並びに副生成物に関する情報を得たので報告する。

口頭

飛行時間法を用いた多重即発$$gamma$$線分析法開発の現状

藤 暢輔

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)のBL04に設置された中性子核反応測定装置(ANNRI)は、核データ、元素分析(即発$$gamma$$線分析)、天体核物理等の研究において用いられている。ANNRIでは大強度パルス中性子源と高性能$$gamma$$線検出器により、高い精度で即発$$gamma$$線の測定が可能となっている。本発表では、即発$$gamma$$線分析研究を推進する上で重要な機器の性能やこれまでに行ってきたANNRI装置の高度化についてハード・ソフト両面から述べるほか、ANNRI装置を用いることによって初めて可能となる解析法の紹介及びこれからの開発計画についても言及する。具体的には$$gamma$$線検出器、中性子ビーム特性、バックグラウンド、解析ソフト開発及び飛行時間法を用いた多重即発$$gamma$$線分析法開発等についての現状とその展望を述べる。

口頭

TIMSフィラメント上で溶解したプルトニウム粒子の$$alpha$$線測定

安田 健一郎; 鈴木 大輔; 金澤 和仁; 宮本 ユタカ; 江坂 文孝; 間柄 正明

no journal, , 

極微量の保障措置環境試料分析を目的として、TIMSによる核燃料物質を含む単一粒子の質量分析を目指している。この一環として粒子中のプルトニウムの有無を事前確認するため$$alpha$$線測定の適用を検討している。プルトニウム標準試料(SRM947)から作製した粒子を測定した結果、粒径が1$$mu$$mを超えると自己吸収の影響により、正確な(Pu-238+Am-241)/(Pu-239+Pu-240)放射能比測定が困難であった。そこで、TIMSフィラメント上でプルトニウム粒子を溶解し$$alpha$$線測定を試みた。溶解処理後、SEMで粒子の溶解を確認し$$alpha$$線測定を行った。本発表では、溶解条件と$$alpha$$スペクトルを例示し、より効果的な条件について検討したので報告する。

口頭

J-PARC/MLF/ANNRIでの核データ測定と放射化分析の接点

木村 敦

no journal, , 

J-PARC/MLFに設置した中性子核反応測定装置(ANNRI)において、中性子捕獲反応断面積測定、即発$$gamma$$線分析の研究を進めている。即発$$gamma$$線は中性子捕獲反応断面積と物質量、検出器の検出効率の積が測定されるため、中性子捕獲反応断面積測定と即発$$gamma$$線分析は対象とする物理量が異なるだけで、測定の手順や手法などで共通する点が多い。そこで、本発表ではANNRIに設置した実験装置の概要や最新の改良点を紹介するとともに、断面積測定と即発$$gamma$$線分析での共通点及び違いについて報告を行う。

口頭

Puを含む極微量多元素逐次分離法

宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 間柄 正明

no journal, , 

環境中に放出された放射性核種を含む環境物質の履歴を分析するため、ナノグラムからピコグラムの極微量元素を化学分離する技術として、一本の陰イオン交換カラムでナノグラム以下のウラン,トリウム,鉛,希土類元素を逐次的に自動で分離できる技術を開発してきた。植物など環境試料に含まれる極微量プルトニウムの量や同位体比の変動を測定するため、これまでの目的元素にプルトニウムを加えた多元素逐次分離法の開発を行った。Puスパイクを用いた予備実験の結果、全ての目的元素を高回収率・高分離能で分離することに成功した。

口頭

研究坑道内における平衡等価ラドン濃度

古田 定昭; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 今枝 靖博; 永崎 靖志; 鈴木 一; 野村 幸広

no journal, , 

原子力機構の瑞浪超深地層研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発として、立坑や水平坑道を設置し、地下水の水圧や水質の観測などを実施している。研究所周辺は花崗岩地帯であることから、平成24, 25年度に深度300mにある延長100mの水平坑道内における空気中の平衡等価ラドン濃度を測定したところ、季節的な変化として夏季に高くなる傾向が見られた。これは外気温が高いことにより地下坑道の自然換気が抑制されたためと考えられる。平衡等価ラドン濃度は最大値3,300Bq/m$$^{3}$$が観測されたが、作業者の入坑時間帯(送風時、10$$sim$$15時)では、月平均濃度で最大765Bq/m$$^{3}$$、最小37Bq/m$$^{3}$$であった。この間、1,880Bq/m$$^{3}$$の最大濃度(1時間値)が測定された。この測定データと作業者の立ち入り時間を考慮して被ばく評価を行ったところ年間1mSvを下回ることが確認された。

口頭

懸濁態及び溶存態放射性Csの森林から河川への流出

竹内 絵里奈; 安藤 麻里子; 西村 周作; 中西 貴宏; 都築 克紀; 小嵐 淳; 松永 武

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性Csは、現在でも森林に多く沈着しており、降雨などによる河川への流出が懸念されている。本研究では、降雨や季節変動と放射性Csの流出挙動の相関を調べるために、放射性Csを連続的に捕集する装置を設置し、森林から河川への放射性Csの流出量を溶存態と粒径の異なる懸濁態に分けて評価した。観測は北茨城市の小河川を対象とし、2012年11月から2013年12月にかけて行った。カートリッジフィルターに河川水を通水させて懸濁物を捕集し、4つのサイズ(F1: 2000$$mu$$m以上、F2: 500-2000$$mu$$m、F3: 75-500$$mu$$m、F4: 75$$mu$$m以下)に篩別した。溶存態CsはCs吸着剤を充填した2本の塩ビ製カラムに通水させて捕集した。カートリッジフィルター及びカラムは、1ヵ月毎に交換し各試料はGe半導体検出器で$$gamma$$線測定を行った。その結果、夏季(5$$sim$$10月)は降雨量が多く土砂が増えることから懸濁態Csの流出割合が多く、冬季(12$$sim$$4月)になると溶存態Csの流出割合が増加する傾向が見られた。懸濁態の粒径別では、ほとんどが75$$mu$$m以下のサイズで流出していることを示した。

口頭

AMSによる低濃度ベリリウム-10及びアルミニウム-26測定のための試薬等の選定

國分 陽子; 松原 章浩; 藤田 奈津子; 西尾 智博*; 大脇 好夫*; 眞田 勝樹*; 西澤 章光*; 三宅 正恭*

no journal, , 

ベリリウム-10及びアルミニウム-26は、岩体の露出年代や侵食速度などを求めるために加速器質量分析法で測定される。近年、これらの核種を深度方向測定し、その生成量の分布から高い精度での年代値を求める方法が行われており低濃度の測定が求められている。本研究では、測定時のブランク評価や試料調製に用いる試薬中の$$^{10}$$Be及び$$^{26}$$Alを測定し、低濃度測定に有効な試薬の選定を試みた。測定ブランクの評価に用いる酸化物、また測定試料を作製する際に用いるキャリア及びプロセスブランクの評価に用いる原子吸光分析(AAS)用または誘導結合プラズマ発光分光及び質量分析(ICP)用標準溶液について比較を行った。酸化ベリリウムは和光純薬製及び三津和化学製の2種類を比較した。$$^{10}$$Be/$$^{9}$$Be比は、10$$^{-14}$$$$sim$$10$$^{-15}$$レベルであり、和光純薬製より三津和化学製の方が低い値を示した。また、キャリア等として用いるBe標準溶液は4種類を比較した。Merck製のものは、和光純薬製及び関東化学製に比べ、半分程度低かった。

口頭

天然鉱物を利用したパルス光励起蛍光法の線量測定への適用

藤田 博喜

no journal, , 

天然鉱物からの放射線誘起光励起蛍光(OSL)現象は、線量測定や年代測定に利用されている。しかし、これまでのOSL測定では、石英以外の鉱物からの蛍光は測定時に妨害となるために、目的鉱物である天然石英粒子を砂利や石材から抽出する必要があり、緊急時における線量測定法としての手法確立の最大の課題となっていた。近年、海外の研究者によって、パルスOSL測定法により、石英とその他の鉱物からのOSLシグナルをその減衰時間(寿命)の違いから弁別できる可能性が示された。この方法を緊急時線量測定に適用するため、測定装置の開発も含めて、基礎的な研究を行ったので、その成果について報告する。

口頭

福島県内のスギ林における表層土壌の特性と放射性セシウム分布

石井 康雄; 佐々木 祥人; 菊池 直之; 渡辺 貴善; 小田 好博; 新里 忠史

no journal, , 

原子力機構では、福島県内における現地調査データに基づいて、山地森林からダム溜池や河川等を通じて河口域、更には沿岸域までの放射性セシウム(Cs-134, 137; 以下、放射性Cs)の移動を予測し、この放射性Csの移動に起因する除染済みエリアの線量率の変化や、生活用水源への混入等に対する技術情報や対策案等の提案を目的とした「福島長期環境動態研究(F-TRACEプロジェクト)」を行っている。本報では、同プロジェクトの森林域を対象とした調査結果の一部を報告する。森林域では、樹木上部の枝葉に付着していた放射性Csは落葉落枝または降雨に伴う林内雨、樹皮表面を流れる水流(樹幹流)により林内の地表へ運搬されると考えられる。同プロジェクトによる2013$$sim$$2014年の調査結果では、林内雨には放射性Csがほとんど検出されず、一方で、樹幹流試料には数$$sim$$数十Bq L$$^{-1}$$のCs-137が含まれることが報告されている。そこで、樹幹近傍における土壌の樹幹流の影響を調べるため、福島県阿武隈山地のスギ林において表層土壌についての調査を行った。

口頭

東京電力福島第一原子力発電所土壌への放射性核種の移行

駒 義和

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い広域が汚染した。東京電力は2011年に敷地土壌を分析し、核分裂生成物やアクチニドの放射性核種濃度を報告している。燃料から土壌への核種の移行ふるまいについて公開されている値を元に検討した。

口頭

福島第一原子力発電所の滞留水に含まれる$$^{93}$$Zrの分析

島田 亜佐子; 亀尾 裕

no journal, , 

福島第一原子力発電所で発生した滞留水の処理においてスラッジ等の二次廃棄物が発生する。その処分のためには二次廃棄物中の放射性核種濃度を評価する必要があるが、直接スラッジ等を分析することが困難であるため、処理前後の汚染水を採取し、間接的にインベントリーを評価している。評価対象候補核種として$$^{93}$$Zrを含む約40核種が選定され、分析が進められているが、$$^{93}$$Zrに関しては分析法が確立されていなかった。そこで、TEVAレジンを用いてZr, Nb及びMoを模擬海水成分から分離した後、さらにそれぞれを相互分離する分離法を開発した。今回、この分離法を適用し、福島第一原子力発電所の滞留水に含まれる$$^{93}$$Zrを分析したので、その結果について報告する。

口頭

土壌中テクネチウム-99分析法の確立

井上 和美; 藤田 博喜; 初川 雄一

no journal, , 

テクネチウム-99($$^{99}$$Tc、半減期約21万年)は核分裂生成物であり、その半減期が長いことから、長期的な環境モニタリングの観点において重要な核種である。そのため、定常的なモニタリングへの適用を目的として、土壌中の$$^{99}$$Tc分析法について検討を行った。土壌試料の前処理法としては、燃焼法と浸出法の2種類を検討した。10gの土壌試料に$$^{99}$$Tcを添加し、燃焼法及び浸出法によりそれぞれ前処理を行い、これらの前処理法で溶液化した試料は、TEVAレジンを用いて化学分離を行った後、試料中に含まれる$$^{99}$$Tc濃度を高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)で測定し、回収率を求めた。その結果、燃焼法では安定した回収率を得られなかったが、浸出法では約80%程度の回収率を安定して得られた。また、浸出法では50gの土壌試料でも約70%の回収率を安定して得られた。以上のことから、土壌中$$^{99}$$Tc分析法における前処理法として浸出法を適用することにした。

口頭

東海再処理施設周辺の畑土中$$^{129}$$I濃度測定へのICP-MS法の適用

永岡 美佳; 横山 裕也; 藤田 博喜

no journal, , 

原子力機構では、東海再処理施設周辺における$$^{129}$$Iの蓄積状況を把握するために、畑土中$$^{129}$$I濃度を定期的に測定している。従来、この$$^{129}$$I濃度の測定には、中性子放射化分析と加速器質量分析(AMS)を適用してきた。しかし、これらの測定方法は$$^{129}$$Iの検出感度に優れているが、その測定は施設の運転状況等に依存し、すぐに測定結果を得られない。このため、トリプル四重極誘導結合プラズマ質量分析(ICP-QQQ)装置を用いた畑土中$$^{129}$$I測定法の検討を行った。まず、ICP-QQQの測定条件の最適化を行った。次に、採取した畑土中$$^{129}$$I濃度を測定したところ、AMSで得られた結果と一致した。このことから、ICP-QQQにより、東海再処理施設周辺の畑土中$$^{129}$$I濃度を定量できることが分かった。

口頭

湿式分離法を用いたBiターゲットからのAt-211の分離

渡辺 茂樹; Balkin, E. R.*; Hamlin, D. K.*; Gagnon, K.*; Chyan, M.-K.*; Wilbur, D. S.*

no journal, , 

At-211(半減期:7.21時間)は、内用放射線治療への応用が期待されている$$alpha$$線放出核種である。At-211の製造では$$^{4}$$He$$^{2+}$$ビームを用いた$$^{209}$$Bi($$alpha$$,2n)反応によるAt-211の生成、および、乾式蒸留法による分離が一般的に行われてきた。しかし、乾式蒸留法は回収率が安定しないという問題点に加えて、内用放射線治療での利用に必須となる装置化に適さない。そこで、安定した回収率が期待でき、かつ装置化に適した湿式分離法に着目し、本法を用いたBiターゲットからのAt-211の分離を実施した。本講演ではその成果を報告する。

口頭

$$^{7}$$Li+$$^{186}$$W反応で観測された質量非対称核分裂

田村 信行; 廣瀬 健太郎; 西尾 勝久; 西中 一朗; 牧井 宏之; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.; Smallcombe, J.; Andreyev, A. N.; 大槻 勤*; et al.

no journal, , 

原子力機構・先端基礎研究センターでは、陽子過剰核$$^{180}$$Hgにおいて質量非対称な核分裂を観測し、アクチノイド原子核以外にも質量非対称分布を示す新たな領域が独立して存在することを明らかにした。理論によれば、鉛より軽い元素の中性子過剰核側に新たな質量非対称核分裂を示す原子核が存在するとされた。これを確認することを目的とし、本実験研究では、$$^{7}$$Li+$$^{186}$$W反応で生成される原子核の質量数分布を測定した。比較実験のため、$$^{7}$$Li+$$^{182,184}$$W反応も調べた。実験は、原子力機構タンデム加速器施設で行った。この結果、$$^{7}$$Li+$$^{186}$$W反応において質量非対称分裂を観測した。解析の結果、$$^{7}$$Liのブレークアップによって生成された$$^{3}$$Hが$$^{186}$$Wに吸収されてできる$$^{189}$$Reが質量非対称分裂の原因であると考えられた。

口頭

マイナーアクチノイドの中性子誘起核分裂および中性子捕獲断面積の同時測定法の開発

田村 信行; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; 西中 一朗; 牧井 宏之; 木村 敦; 太田 周也*; Andreyev, A. N.; Vermeulen, M.*; Gillespire, S.*; et al.

no journal, , 

原子炉の運転に伴って長寿命のマイナーアクチノイド(MA)が生成する。このMAを分離・核変換することで将来にわたる環境への放射線影響を低減することが重要となっている。このための核変換炉を構築するため、MAの中性子入射断面積を高精度で測定する必要がある。本研究では、中性子誘起核分裂および中性子捕獲断面積を同時に測定する方法を開発し、これを用いて$$^{241}$$Amのデータを取得した。中性子飛行時間分析法を用いた本実験は、J-PARC/MLFのBL04コースで行った。核分裂事象を決定するため、即発中性子を有機液体シンチレータで検出した。この検出器を用いて捕獲反応で放出される$$gamma$$線も検出した。$$gamma$$線と中性子は、波形弁別法によって区別した。測定で得られた低エネルギー側の3つの共鳴のうち、捕獲断面積は従来の測定によく一致したものの、第2共鳴の核分裂断面積は従来より高い値を得た。核分裂および捕獲断面積を同時に測定する手法を見出したのは本研究が初めてであり、核データの高精度化につながる成果である。

口頭

高速中性子照射の反跳効果を利用したSr-85を内包した金属フラーレンの生成に関する研究

宮下 由香*; 秋山 和彦*; 初川 雄一; 只井 智浩*; 千葉 和喜*; 佐藤 祐太*; 久冨木 志郎*

no journal, , 

高い比放射能を持つ放射性金属内包フラーレンを得るため、これまで核反応の反跳効果を利用した多くの実験が行われてきた。しかし荷電粒子核反応を用いた場合標的フラーレン分子への放射線損傷が大きく金蔵内包フラーレンの生成率は極めて小さいことが知られている。一方高速中性子核反応では直接フラーレンケージを構成する炭素原子核に衝突する際の損傷のみを考慮すればよく、より効率的に放射性金属内包フラーレンの生成が期待される。本研究では14MeVの高速中性子による$$^{86}$$Sr(n,2n)$$^{85}$$Sr反応の反跳効果を用いて$$^{85}$$Sr@C$$_{60}$$の生成を試みた。標的とするストロンチウム塩としてそれぞれ密度の異なるSr(NO$$_{3}$$)$$_{2}$$(2.99g/cm$$^{3}$$)とSrC$$_{2}$$O$$_{4}$$(2.08g/cm$$^{3}$$)を用いて$$^{85}$$Sr@C$$_{60}$$の生成率を評価した。

口頭

地衣類の放射性セシウム保持特性と降下物量指標としての適用可能性

土肥 輝美; 大村 嘉人*; 藤原 健壮; 飯島 和毅

no journal, , 

地衣類は、菌類と藻類の共生体であり、(1)樹皮や岩上などに着生し、陸上生態系に広く分布する、(2)維管束植物のような根を持たず、大気中の水分や浮遊物を直接取り込み保持する、(3)年間成長量が少なく寿命は数十年と比較的長い、などの性質を持つ。このような特性から、地衣類は大気圏核実験やチェルノブイリ事故など、長期間にわたり放射性降下物の汚染状況評価に用いられてきた。福島第一原子力発電所事故(以下、「事故」という)により環境中に放出された放射性セシウムは、風雨によって長期的に生態系内を移動すると予想される。放射性セシウムの土壌沈着量は、ウェザリング等の要因によって時間経過と共に比較的速く減少していくのに対し、地衣類中の放射性セシウムは長期間保持されることが知られている。したがって、生態系における放射性セシウムの動態評価を行う上で、環境試料中の放射性セシウムの挙動調査に加えて、地衣類における保持特性も明らかにすることが必要であるが、日本産地衣類に関する知見は報告されていない。本研究では、福島県内の地衣類を対象に、それらが樹皮や地表面よりも放射性セシウムを長期間安定して保持するかについて明らかにすることを目的とした。

口頭

超アクチノイド元素シーボーギウム(Sg)の還元にむけた同族元素MoとWの電解還元

豊嶋 厚史; 宮下 直*; 大江 一弘*; 北山 雄太*; Lerum, H. V.*; 後藤 尚哉*; 金谷 佑亮; 小森 有希子*; 水飼 秋菜*; Vascon, A.; et al.

no journal, , 

超重元素研究グループでは、超アクチノイド元素シーボーギウム(Sg)の還元実験に向けた準備実験を進めている。本研究では、Sgの同族元素である$$^{93m}$$Moならびに$$^{176}$$Wを用い、これらを電解還元した後、溶媒抽出分離が可能な溶液条件を探索した。原子力機構タンデム加速器施設において$$^{93m}$$Moならびに$$^{176}$$Wを生成した。これらをHe/KClガスジェット法により化学室まで搬送し、3分間捕集した後、数百$$mu$$Lの硫酸水溶液あるいは硫酸と過塩素酸の混合水溶液に溶解した。これを0.4Vから-1.4Vまでの電圧(vs. Ag/AgCl参照電極)を印加したフロー電解カラムに導入した後、溶出液を収集した。さらにこの溶出液をトリイソオクチルアミン(TOA)-トルエン溶液と混合して1分間振とうした後、30秒間遠心分離した。その後、両相から同量分取して$$gamma$$線を測定し、分配比Dを評価した。硫酸/過塩素酸水溶液で電解還元し、0.2M TOAへ抽出した場合、MoのD値は-0.4 V以下で急激な減少を示す一方、WのD値は変化しなかった。このような変化は他の分離条件においても観測されており、WがMoに比べて還元され難いことを示している。討論会では、他の電解条件や抽出条件についても報告する。

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